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平成12年2月29日
WIDE Projectと日立が共同開発した次世代インターネットプロトコル(IPv6)移行技術がIETFで採用
−IPv6分野では国内メーカーとして初めての採用−
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                                                                            WIDE Project
                                                                     株式会社 日立製作所

 WIDE Project*1(代表:慶応義塾大学 村井純教授)と日立製作所 情報コンピュータグループ
(グループ長&CEO:加藤孝雄)は、将来のインターネット発展の鍵を握る次世代インターネット
プロトコル(IPv6:IPバージョン6)への移行技術を開発し、その技術を全世界のIPv6実験サイトに
提供してきた結果、このほどインターネット関連技術の標準化組織であるIETF*2においてその実績
が認められ、本技術がRFC2767(RFC*3)として正式に採用されました。IPv6に関するRFCでは国内初
の採用となります。
 なお、今回IETFで採用された技術はIPユニキャスト通信のIPv6移行方式に関するものですが、IP
マルチキャスト通信の移行方式についても通商産業省/情報処理振興事業協会(IPA)が推進する「次
世代デジタル応用基盤技術開発事業」の一環として開発しており、今後、この技術を公開し、広く
一般に利用していただく予定です。

 現在のインターネットは約20年前に設計された通信プロトコルであるIPバージョン4(IPv4)によ
って通信を行っています。しかし、近年の急激な普及に伴いアドレスの枯渇や経路制御情報の肥大
化等の問題が深刻化しており、現在のIPv4では、今後のユーザー数の増加や多様化する利用ニーズ
に応えられないことが指摘されています。これらの問題を解決するためIETFでは次世代インターネ
ットの通信プロトコルとしてIPv6の標準化を進めています。IPv6は、アドレス空間を128ビットに
拡張し、暗号化や認証によるセキュリティの確保、通信フロー別の優先制御等の新機能が組み込ま
れています。このため、コンピュータだけでなく膨大な数にのぼる携帯電話、家電、自動車といっ
た身近な機器にも全世界で固有なIPアドレスの割当てが可能となり、情報の価値を高める新たなア
プリケーションを生み出す技術として期待されています。

 しかし、既に数千万台普及しているIPv4端末を一気にIPv6端末に移行させることは困難であり、
ユーザーの利便性に配慮しつつ時間をかけて徐々に全体をIPv6へと移行させていくものと考えられ
ます。この移行期間中のネットワークにはIPv4とIPv6が混在する形となりますが、IPv4とIPv6は通
信プロトコルのヘッダ*4・フォーマットが異なるため、直接通信することはできません。このため、
IPv6が次世代インターネット標準の通信プロトコルとして浸透・定着するまでの過程においては、
互いの通信プロトコルを変換するIPv4-IPv6変換技術が必要とされています。

  WIDE Projectと日立は、IPv6技術の開発に早くから取組み、実用化に向け先進的な活動を行って
きました。両者で協力して米国ニューハンプシャー大学のIOL(Interoperability Laboratory)や
世界的規模のIPv6実験環境である6Bone*5にいち早く参加/接続し、相互接続性の検証を行ってき
ました。また、日立では、業界に先駆けて平成9年6月にIPv4/IPv6アドレス変換機能を備えたルー
タ「NR60」の提供を開始し、6Bone等での運用実験にて世界各国の研究機関やベンダに幅広く利用
されています。平成10年8月には今回IETFで採用された技術をベースとするIPv6対応ソフトウェア
「Toolnet6」を開発し、IPv4/IPv6混在環境においてWindows PCがプロトコル(IPv4/IPv6)を意識す
ることなく通信できる環境を実現しました。「Toolnet6」は、IPv6の普及を目的として当社のホー
ムページ*6にて無償配布を実施し、世界中のキャリア、インターネットサービスプロバイダ、研究
機関、企業などの先進ユーザにおけるIPv6実験網で数多く利用されています。
(利用件数:約2,000件)

 今回IETFで採用されたRFC2767(BIS:Dual Stack Hosts using the "Bump-In-the-Stack 
Technique")は、現在の設備(PC/OS)やアプリケーションプログラムはそのまま利用しながら、IPv4
とIPv6の両方のプロトコルでの通信を可能にする技術であり、本技術に基づいた端末を用いること
によって、IPv4とIPv6の混在環境を実現することができます。このため、ネットワークインフラを
IPv4からIPv6に変更した場合でも、これまで投資してきた設備(PC/OS)やアプリケーションプログ
ラムなどの継続利用が可能になるため、IPv6導入コストを抑えるとともに、移行初期におけるIPv6
対応アプリケーション不足の問題を解消し、IPv6環境へのスムーズな移行を実現します。

 日立では、ギガビットルータGR2000を核に「IP& Optical plaza」をコンセプトとしてIPソリュー
ションを展開しています。今回IETFで採用された変換技術をベースに、IPv4環境からIPv6環境への
スムーズな移行をサポートするIPシステムソリューションを提供するとともに、ISOC*7が提唱する
「The Internet is for Everyone」に基づいたインターネット関連技術の開発を推進していきます。

■本文注記
*1)WIDE(Widely Integrated Distributed Environment) Project:オペレーティングシステム技術
  と通信技術を基盤とした新しいコンピュータ環境の確立を目的として大学と企業が協力して活
   動している研究プロジェクト。
*2)IETF(Internet Engineering Task Force):インターネット関連技術の標準化団体。
*3)RFC(Request for comments):IETFが発行するインターネット関連技術の標準規格書。発行され 
   た順に通し番号(xxxx)が付けられ、RFCxxxxの名称で参照される。
*4)ヘッダ:送信したいデータの先頭につける制御用データ(宛て先、送信元アドレスなど)。
*5)6Bone:96年に誕生したIPv6を扱えるバックボーン・ネットワーク。世界約40ヶ国の研究機関や
   ベンダーが接続している。
*6)日立ネットワークサービス/製品ホームページ:
    http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/network/index-j.htm
*7)ISOC(Internet SOCiety):インターネット関連技術の開発、普及を目的とする非営利の国際組織。
    IETFの上位組織にあたる。
■関連情報
   http://www.ietf.org/rfc/rfc2767.txt
   http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/network/pexv6-j.htm 
   http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/network/gr2000.htm
■他社商標等に関する表示
・ Windows、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
・ その他の団体名は各団体の名称、商標または登録商標です。


                                       以上
















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