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ババ・カリヤニ

ババ・カリヤニ

日立への貢献

私は、かねてから国や企業が繁栄、成長する過程を学ぶことを、経営者かつビジネスパーソンとしての自らの成長の糧としてきました。中でも、日本の企業がグローバル企業へと成長を遂げる過程は尊敬に値するものであり、従前から高い関心を有してきました。現在、その日本を代表する企業である日立の取締役として、私自身がインドや欧州、北米などで培ってきた経験、知見を生かし、その成長に貢献できることに大きな誇りと喜びを感じています。

激動の時代に立ち向かう日立の強み

近年、デジタル技術の台頭で、あらゆるビジネスの仕組みが劇的に変化しつつあります。さらに、複数の国や地域で生じているトラブル、リスク事象がグローバルに波及し、日立をはじめとしたさまざまな企業のビジネスにも大きく影響しています。このような状況において、日立は自らが思い描く未来の実現に向けて、明確な戦略を定め、その実行にまい進する強固な組織を構築する必要があるでしょう。
日立は幅広い事業領域を有しており、事業ごとに取り巻く環境や課題なども異なります。例えば、オートモティブシステムや建設機械事業は、比較的リスクが低いと捉えていますが、今後のマーケット動向、技術トレンドなどによっては、業界全体が大きく変貌を遂げる可能性もあり得ます。一方で、長期プロジェクトとなる原子力や鉄道事業は、各国の政策が事業運営に影響を与えることが多く、将来の姿を詳細に予測することは容易ではありません。つまり、事業ごとに最適なマネジメントが必要ということです。さらに、適切な人財配置、ガバナンスの構築、リスクに対する十分な分析とヘッジも重要となります。
さて、私は、次の3つの理由から、今後の日立は、こうした状況にもしっかりと対処できるものと確信しています。
まず、日立は素晴らしい製品やソリューションを生み出す高い技術力を有しています。例えば、日立の優れた技術やソリューションなどの集合体であるIoTプラットフォームLumadaは、IoT時代を勝ち抜く上で、他社の追随を許さない大きな強みと捉えています。
2点目は、強固なマネジメント体制を構築していることです。日立には、多様な考え方や意見を受け入れる土壌があり、取締役会では、執行役とともに、固定概念に捉われることなく、オープンな姿勢で活発な議論を展開しています。複数の女性および日本以外の国籍を有する社外取締役で構成された取締役会は、優れたコーポレートガバナンスを体現しているといえるでしょう。
最後に、日立は世界の変化を敏感に察知し、いち早く布石を打とうという姿勢、気概を有していることです。変化への対応が後手に回る企業も見受けられますが、日立は違います。英国のEU離脱や米国大統領選挙などについても、ビジネスへのインパクト、今後の対応策などをタイムリーに俎上に載せて、議論を尽くしました。

日立が進むべき道

私は、日立の取締役会の大きな強みは、時代の変化だけでなく、将来のリスクなどに対しても、徹底的に議論を深めるところであろうと考えています。想定されるリスクをさまざまな角度から分析することで、その先の展望が見えてきます。日立の多様な事業をすべて理解することは容易ではありませんが、取締役会で広範囲にわたる議論を重ねることで、ビジネス環境を包括的に理解し、正しい方向性を見出すことができるものと信じています。
日立では、海外ビジネスを展開する中で、その統括をおもに日本人のマネージャーが担っていた時代もありました。しかし、今では、現地社員をトップに据えるなど、現地主導への権限委譲が進んでいます。各地において、社員一人ひとりがそれぞれの文化や風習を尊重し合うオープンなマインドセットも重要で、そうした姿勢もしっかりと浸透しつつあります。日立は、グローバルにおける成長に向けて、正しい方向に着実に進んでいるものと確信しています。

山本 高稔

山本 高稔

日立の直面する課題と自身のミッション

私は、アナリスト時代を含めて、通算30年以上にわたり、日立の経営を見てきました。日立は業績が厳しい時期もありましたが、現在は「IoT時代のイノベーションパートナー」として、真のグローバルメジャープレーヤーをめざすステージを迎えています。日本を代表する企業である日立ですが、収益面では、まだエクセレントカンパニーとはいえません。グローバルメジャープレーヤーとして競合他社と伍していくためには、稼ぐ力の強化による企業価値の持続的な成長を実現することが重要です。CEOをはじめ、執行役はESGの観点も含めた企業価値とは何かを理解し、常に現在の価値と目標を冷静に試算、評価して経営の舵取りを行う必要があります。社外取締役としての私のミッションは、資本市場における長年の企業分析の経験などを生かして、日立グループの持続的な企業価値とコーポレートガバナンスの向上に貢献することです。

日立のコーポレートガバナンスのさらなる強化

日立のコーポレートガバナンスについては高く評価をしています。2016年にはコーポレートガバナンスガイドラインに、取締役会の任務として、CEOの解任や後継者選出を明記するなど、経営の透明性をさらに強化しています。その一方で、この1年間、社外取締役および監査委員として、日立を監督、監査する中で、強化すべきことが見えてきました。
1つ目は、海外売上収益比率が約50%で、かつ、M&Aを通じて新たに連結子会社となった企業を含めて900社近いグループ会社を有する巨大企業を、効率的かつ適切に監査する体制のさらなる強化です。日立の監査委員会、社内の監査室、会計監査人で構成されるいわゆる三様監査の体制は、日本最高レベルですが、海外法人も含めた日立グループ全体を適切に統括する体制を構築し、監査を実行していくため、2017年度からグループ会社別の三様監査の確立を進めています。さまざまなリスクの防止をめざし、今後も監査体制の強化に継続して取り組んでいきます。
2つ目は、取締役会での議論が執行役の業務執行においてどのように反映され、成果が出ているかを検証することです。取締役会の議論が実際の事業にどのように影響を与え、変革できたのか、取締役会が自らフォローアップ、検証することで、取締役会の実効性を担保できるのではないでしょうか。つまり、私たち社外取締役は、より優れた検証の仕組みを構築していく必要があるのです。

真のグローバルメジャープレーヤーとしての今後の道筋

幅広いステークホルダーの期待に応えるグローバルメジャープレ−ヤーとなり、日立の企業価値のさらなる向上を図るため、私は次の5点が重要と考えています。(1)事業ポートフォリオの継続的な見直しを含む、大胆かつスピード感ある経営判断とその実行、(2)資本と資産の効率の向上、(3)グローバル水準の利益率の実現、(4)M&Aや大型案件における優れた統括・管理力、(5)多様でグローバルな人財を活用した経営と将来の経営陣の育成。
2018中期経営計画の目標達成は重要なマイルストーンですが、これも長期的な成長の上では通過点に過ぎません。現在の日立は、真のグローバルメジャープレーヤーとなれるか否かの、まさに分岐点にあります。私は取締役として、しっかりと日立を監視・監督し、その実現と企業価値の向上に貢献していきます。