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企業情報株主・投資家向け情報

法令遵守はもとより、社会的責任を果たす企業行動を徹底する上で、日立全体の従業員への規範意識の浸透は企業経営の基盤となる課題です。また、経済活動のボーダレス化を受け、贈収賄・汚職をはじめとする不法行為の撲滅に、各国・地域の特性も踏まえつつ取り組む必要性も高まっています。
日立は、グローバル企業として、グループ全体で一貫したコンプライアンス体制の拡充を推進しています。

コンプライアンス体制の強化

日立では、日立グループ行動規範を踏まえ、コンプライアンスの徹底のために、日立グローバル・コンプライアンス・プログラム(Hitachi Global Compliance Program)を制定しています。
このプログラムに基づき、グループ全体のリスクマネジメントを統括する管掌役員(日立グループリスクマネジメント責任者)のもと、日立製作所内のビジネスユニットと主要グループ会社ごとにも経営層レベルのリスクマネジメント責任者およびその職務を補佐するコンプライアンス・マネージャーを設置して、コンプライアンス体制の強化を図っています。また、世界11地域に地域コンプライアンス責任者を設置し、地域内のグループ会社をサポートする体制をとっています。
こうした体制のもと、日立製作所内のビジネスユニットと主要グループ会社のリスクマネジメント責任者をメンバーとする「コンプライアンスマネジメント会議」を開催し、コンプライアンスに対する方針と対応施策についての共有を図っています。また、コンプライアンス・マネージャーをメンバーとする「日立グループ コンプライアンス会議」を開催し、コンプライアンスに関する具体的な実施事項の徹底に努めています。
一方、社外の有識者をメンバーとする「アドバイザリー委員会」を設置し、コンプライアンスの取り組みや状況について定期的に意見交換を行い、委員からの助言を具体的な施策に反映しています。
コンプライアンスに対するチェックについては、内部監査部門がグループ全体を対象として定期的にコンプライアンス分野の監査を実施し、適正性を確認しています。改善を要する事項が見られた場合には、速やかに是正措置を行っています。

コンプライアンス通報制度の導入

日立製作所は、違法・不適切な行為の防止と早期是正、自浄能力の向上を図るため、コンプライアンス担当部門または社外弁護士に直接通報できる「全社コンプライアンス通報制度」を導入しています。この制度は日立製作所の社員だけでなく、グループ各社の社員、派遣社員、サプライヤーも利用できます。グループ会社の社員は、自社の通報窓口を利用することもできます。
また、社員が匿名で直接、取締役に通報できる「取締役会の窓」という通報制度も導入しています。
すべての通報について調査を実施し、事実を確認した上で、記名のあった通報者には調査結果を回答するとともに、必要に応じた是正措置をとるなど適切に対応しています。

輸出管理の徹底

日立製作所は「企業行動基準」の「貿易関連法規の遵守を通じ広く国際的な平和及び安全の維持に貢献する」という条項を輸出管理の基本方針としています。この基本方針に則って「安全保障輸出管理規則」を1987年度に制定し、すべての輸出貨物・技術について、輸出先の国と地域、顧客、用途を審査した上で、法令に基づいて厳格な輸出管理を行っています。また日本国内外のグループ会社もこの方針に則って輸出管理を行うよう、規則制定や体制整備の指導をするとともに、教育などによりその活動を支援しています。
現在、国内および海外グループ会社向けの教育として、輸出管理に関する講座を開催しているほか、日本語、英語、中国語でのeラーニングを毎年実施し、日立グループ全体において輸出管理が徹底されるよう取り組みを継続しています。

贈収賄防止の取り組み

日立では、日立グローバル・コンプライアンス・プログラムのもと、贈収賄防止の徹底に取り組んでいます。
グローバルな贈賄リスクに対応するため2013年度より米国の「海外腐敗行為防止法*リソースガイド」などを参考に、想定される贈賄リスクのシナリオを作成し、贈賄リスクに関する調査を日本国外のほぼすべてのグループ会社(約600社)に対して行いました。その結果をもとに、政府などとの取引の関連性の高さなど、リスクシナリオに該当する会社を「特定リスクを有する会社」として抽出しました。その割合は全体の1割に相当し、重点的に監査、教育などを実施することで、グローバルにおける贈賄リスクの軽減を図っています。日立では、こうしたリスク評価を定期的に実施していきます。
また、2016年に贈収賄防止に関する規則を改訂し、ファシリテーション・ペイメントの禁止や取引先審査手続の明確化などを図っています。
さらに贈収賄防止に関するeラーニング(グローバル編)を日本語・英語・中国語のほか6言語で作成・展開し、日本国内外の日立グループ会社で活用しています。
2016年度において、贈収賄にかかる違反や制裁を伴う案件は発生していません。

*
海外腐敗行為防止法(FCPA:Foreign Corrupt Practices Act):外国の公務員に対する贈賄を禁止する条項と、証券取引所法に基づく会計の透明性を要求する条項の2つから構成されています。贈賄禁止条項は、外国の公務員への贈賄を禁止する内容で、米国司法省が所管。会計処理条項は、取引を正確かつ公正に会計書類に反映し、会計に関する適切な内部統制を維持するという内容で、米国証券取引委員会が所管しています。

競争法違反防止の取り組み

日立は「法と正しい企業倫理に基づいた行動」「公正で秩序ある競争」を基本理念に掲げています。こうした理念に基づき、日立グローバル・コンプライアンス・プログラムにより、競争法遵守の徹底に取り組んでいます。
2016年度は、米国において、カルテル行為についての司法取引案件が2件、国内において談合の排除措置命令案件1件が発生しました。
日立では、こうした事態を重く受け止め、競争法違反行為の撲滅に向けて、さらなる教育の徹底と体制の強化を図っていきます。

税務コンプライアンスの徹底

日立の事業活動のグローバル化に伴う、各国税務当局からの指摘や税務訴訟などの税務リスクに対応するため、グループ全体での適切な税務ガバナンスの構築が必要となっています。日立では、2016年1月にグループ全体で遵守すべき税務関連の規程を制定しました。さらに事業のグローバル化に対応した税務リスク管理を実施し、下記事項を徹底していきます。

  1. グループ各社は、OECD*1移転価格ガイドライン、BEPS*2行動計画などの税務の国際基準を十分に斟酌し、事業活動にかかわるすべての法令を遵守して、税務管理を遂行する
  2. グループ各社は、社会的に責任ある組織として効率的、継続的、積極的に税務管理し、日立ブランドの価値を守り、株主価値を最大化することに努める
  3. グループ各社は、事業活動地域における税務当局と誠実で良好な協力関係を構築し、維持、発展させることに努める

また、2017年4月には、グループの移転価格管理に関するルールを制定し、日立はOECD移転価格ガイドラインやグループ各社の所在地国の移転価格税制等に基づいた移転価格の管理を実施しています。
なお、税務コンプライアンスについては、各国・地域の拠点でそれぞれの法規制に従って対応しており、2016年度は大きな影響を与える法規制への違反に対する罰金および罰金以外の制裁措置は受けていません。

*1
OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development):経済協力開発機構
*2
BEPS(Base Erosion and Profit Shifting):税源浸食と利益移転