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1999年7月15日

新学習指導要領に対応した小中高等学校情報教育のための
教材開発とインターネットを活用した教育支援システムの
実証実験開始について

日立製作所は、このたび、情報処理学会の協力のもと、新学習指導要領に対応した情報教育用デジタル教材(コンテンツ)を開発し、7月26日からインターネット上に開設した「情報学習サポートセンター」を通じて全国の小中高等学校などを対象に幅広く教材を提供するとともに、ネットワークを活用した新しい情報教育システムの実証実験を開始します。
なお、本実験は、平成10年度一次補正事業として通商産業省/情報処理振興事業協会(IPA)の支援を受けて実施します。

近年、経団連が「デジタル・ニューディール構想(仮称)」を提唱し、産・官・学共同で「情報化」についてのプロジェクトを重点的に推進することを提案するなど、国家的規模での情報インフラ格差解消に向けた本格的な活動が進んでいます。
こうした情報インフラの構築は、技術開発力の強化に加えて、情報リテラシー(コンピュータを利用して情報を活用する能力)の向上が大きな課題となり、学校教育における情報教育の必要性が高まることが予想されるため、文部省では新学習指導要領を策定し、小中学校では2002年度から、高等学校では2003年度から、情報教育を実施することを計画しています。また、通商産業省と文部省は「教育の情報化推進事業」を実施しており、平成10年度第一次補正予算事業として公募を行いました。

当社は、こうした状況に対応して、デジタル教材とインターネットを活用した新しい情報教育システムの構築を目指し、実証実験を行います。
本実証実験プロジェクトでは、当社が幹事となり、情報処理学会 情報処理教育委員会 (前委員長:都倉信樹 大阪大学教授、現委員長:大岩元 慶應義塾大学教授)、同委員会 情報教育ソフトウェア小委員会(委員長:中川正樹 東京農工大学教授)、同学会コンピュータと教育研究会(主査:武井惠雄 帝京大学教授)と連携しながら、小中高等学校情報教育向けのデジタル教材、教師による教材カスタマイズのためのソフトウェア、WebやEメールを使った教育支援のための情報システムを開発します。
また、本システムをインターネット上で「情報学習サポートセンター」として運営することで、幅広く全国の教育現場からの意見を吸い上げるとともに、教材の共有実験等を可能にします。さらに、地域の大学や企業などの協力を得て、小中高等学校などの13の教育関係機関を対象に教材や新しい情報教育の推進体制の有効性を実証します。本システムによる実証実験は、平成11年7月から平成12年1月まで実施し、今後の新学習指導要領に対応した教材や教育支援体制を含む教育の情報化について提言します。

当社では、今回の実証実験をプロデュースすることにより、日本の情報インフラの充実に貢献するとともに、実験を通じて培った経験やノウハウを今後のネットワーク社会における教育の情報化ビジネスに活かしていきます。

[イメージ]プロジェクトの全体像

実証実験協力者

情報教育支援機関(大学):11校

帝京大学、東京農工大学、神戸大学、東洋大学、神戸女子短期大学、長野工業高等専門学校、
東京都立科学技術大学、津田塾大学、宮城大学、慶應義塾大学、東京学芸大学
実証実験協力機関(小中高等学校など):13機関

添付資料

実証実験の概要

1.初等教育における教材作成および教師によるカスタマイズのためのソフトウェアの開発
初等教育における情報教育のための教材は、児童・生徒の発達段階や興味にしたがって、教材の題材を変更できることが効果的な教育を実施する上で重要です。そのため、プログラミングによらずにカスタマイズのみで、教育現場で簡単にオリジナルな教材を作成できるソフトウェアを開発します。これらのソフトウェアは、Java/Webベースで開発し、プラットフォームに依存しない教材を開発できるようにしています。
【担当:株式会社 日立製作所 公共情報事業部、システム開発研究所】

2.高等学校「情報」教科向け教材の開発
今年度情報科目が導入される高等学校およびすでに情報処理科目が設置されている高等学校で、実際に授業でデジタル教材を活用する実験を行います。これにより、デジタル教材活用による「情報」教育の効果を実証します。
新指導要領では、新しい教科「情報」の中で、コンピュータや通信ネットワークを利用した実習を積極的に取り入れることを推奨しており、当社では、体系的で公共性の高い対話型のデジタル教材を開発します。
【担当:株式会社 日立インフォメーションアカデミー】

3.大学や企業による情報教育支援体制の実証(情報学習サポートセンターの運営)
情報教育が円滑に行われるためには、教師、生徒、サポータが交流しながら情報教育を一体となって推進していくことが重要であると考え、WebやEメールを使った教育支援のための情報システムを開発します。本システムは、「情報学習サポートセンター」として運営し、各教育現場での意見を吸い上げ、教材の共有実験等を可能にし、こうした教育の支援体制の有効性を実証します。
【担当:株式会社 日立製作所 公共情報事業部、システム開発研究所】

以上

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