気候分野などの研究推進に向け日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルM1」を導入
情報基盤センターは情報メディア教育、学術情報、ネットワーク、スーパーコンピューティングの4部門を中心として構成されています。2つのスーパーコンピュータシステムの運用・利用・研究支援を担うスーパーコンピューティング部門は1965年に発足した東京大学の大型計算機センターを母体としており、2010年からは全国8大学の情報基盤センターで構成される「学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点」の中核拠点としても活動を開始。学内外の幅広い利用者に向け、常に最先端の大規模計算サービスを提供しています。
情報基盤センターは2005年に導入した日立のスーパーコンピュータである「SR11000 モデルJ2」の後継機に「SR16000 モデルM1」を選定し、大規模SMP(*1)並列スーパーコンピュータとして2011年10月より本格稼働を開始しました。
「今回のスーパーコンピュータ導入の検討にあたり、SR11000のような大容量メモリー空間を必要とする環境で長年研究を続けてきたユーザーからは、既存プログラムの継続性と、さらに高い実行性能を実現できる環境が強く求められていました。そこで今回は、SR11000上で開発されてきたプログラムをリコンパイルするだけで移行でき、処理性能も大幅にアップしたスーパーコンピュータとして、総合評価方式の入札によって採用されたのがSR16000です」と情報基盤センター スーパーコンピューティング研究部門 教授の中島 研吾氏はその経緯を説明します。
また選定にあたっては、環境性能や省スペース性も重要な要件になったと語るのは、情報基盤センター 主査(スーパーコンピューティング担当)の平野 光敏氏です。
「本校では温室効果ガス排出の少ないキャンパスを実現するため、省エネ性能に優れた機器への更新を支援する東大サステイナブルキャンパスプロジェクト(Todai Sustainable Campus Project:TSCP)を実践しています。SR16000は従来機に比べて1ノード(*2)あたり理論演算性能(*3)が約6倍に向上する一方、消費電力は約1/5に低減した点を高く評価しました。また、プロセッサーの発熱を冷却水によって効率的に冷却する技術により空調機の使用量を抑制することが可能になった点にも満足しています。さらに、設置面積についても従来は20ラック以上必要だったものが、わずか2ラックに収まるほど小型化されたため、スペース利用効率が大幅に高まった点も助かります」と平野氏は語ります。
今回導入されたSR16000は、1ノードあたり4個のPOWER7®プロセッサー(合計32コア)と主記憶200GBで構成され、これらのノードを56台搭載することでシステム全体では54.906TFLOPS(*4)の演算性能を確保。既存プログラムとの高い互換性に加え、日立から最適化FORTRAN90などのコンパイラや数値計算ライブラリーを提供することで、数多くのユーザーに、より高速・高性能な科学技術計算処理を行う環境が提供されることになりました。
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東京大学情報基盤センターに導入されたシステムの概要