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自治体向けソリューション

東京都台東区「緊急通報を備えた電子総合掲示板の実現」:第1回

さらなる地域防犯に向けた、全国初の取り組み

今回は台東区 危機管理室 生活安全推進課 係長 鈴木伸治 氏に、全国に先駆けて実現したIT総合掲示板「たいとう安全・安心掲示板」について伺いました。

今回インタビューにご協力いただいた方

[写真]危機管理室 生活安全推進課 係長 鈴木伸治氏

導入の経緯

さらなる防犯力のアップと、観光案内などにも活用できる安全・安心の『キーステーション』が目標

[写真]上野公園内に設置された掲示板
上野公園内に設置された掲示板

日立:
今回設置されたIT総合掲示板「たいとう安全・安心掲示板」の概要を、簡単にご紹介いただけますか。

鈴木氏:
従来からあった緊急通報機能や防犯カメラと、情報提供のためのデジタル掲示板を組み合わせたもので、地域の安全性をより一層高めることを目指したものです。
台東区では平成14年に生活安全条例を制定し、これまでも地域の防犯活動の支援や防犯カメラの設置助成を行うなど、地域の防犯力の向上を警察や地域と連携し進めてきました。今回の新しい掲示板を安全・安心の『キーステーション』として活用することで、地域の防犯力のさらなる向上につなげていきたいと考えています。

日立:
防犯のための装置としては警報ブザーや防犯カメラ等、さまざまな機器があると思いますが、なぜ掲示板という形を選んだのでしょうか。

鈴木氏:
犯罪抑止という観点から、単なる警報ブザーや防犯カメラ等を設置するよりも、安全・安心情報が液晶画面に動画表示される掲示板の方が多くの人の防犯・防災意識の啓発につながり、また区の安全・安心の取り組みを広くアピールできると思ったからです。
また、利用者にとっても、緊急通報ボタンや防犯カメラだけのものより、普段から見たり、触ったりできる身近な機器になればと思いました。使い慣れてこそ、いざという時に利用できるはずです。
さらに、掲示板でしたら観光情報なども配信できるので、台東区の魅力を知ってもらうこともできます。

日立:
防犯設備としてだけでなく、観光にも活用するというのはユニークな発想ですね。

鈴木氏:
台東区には、数々の史跡や芸術、年間を通じて催されるさまざまな行事など、多彩で豊富な文化・観光資源があります。本区は、基本構想に将来像として「にぎわい いきいき したまち台東」を掲げ、文化・観光の振興に力を入れています。
そこで、掲示板の上の画面を使って、安全・安心情報に加え、区内の文化施設等(博物館、美術館、動物園など)のイベント等の開催状況を配信しています。また、下の画面は、さまざまな施設を検索できる地図で、防災避難所や区有施設のほか、区内の史跡といった文化財、文化施設を調べられ、目的地までのルートが表示されます。

[写真]タッチパネルによる地図情報の提供
タッチパネルによる地図情報の提供

都の地域防犯モデル地域に指定、警察と土地管理者の協力で実現

日立:
過去に前例のない設備だと思いますが、設置に至るまでどのように検討を進められたのですか。

鈴木氏:
台東区内の犯罪件数は数年続けて減少していましたが、さらなる地域防犯力アップのための事業として、掲示板の構想を検討していました。そこに、東京都から「地域防犯モデル事業」の募集があり、都の支援を受けて進めることはできないかと思いました。
ご存知のとおり、上野地域は繁華街なので、区内でも比較的犯罪件数が多く、アメ横、宝飾店街、上野公園があるという地域上の特性もあります。そこで、上野地域を管轄としている上野警察署、設置場所を所管する東京都東部公園緑地事務所、JR東日本、国土交通省東京国道事務所のご協力、ご理解を得て、何とか設置予定の目処もたち、事業計画を申請したところ、東京都の「地域防犯モデル事業」に指定していただきました。

日立:
掲示板は、上野駅前と上野公園内にそれぞれ1台ずつ設置されていますね。あの設置場所はどのように選定したのですか。

[写真]上野駅前に設置された掲示板
上野駅前に設置された掲示板

鈴木氏:
地域における犯罪抑止と利用者の利便性の観点から、「交番から一定の距離があり、多くの人が利用しても通行等に支障が生じないスペースが確保できる場所」を候補地としました。さらに全国初のシステムですから、犯罪抑止力と認知度向上を考えて、「なるべく多くの方に目に付く場所」という点を考慮し、JR上野駅前と上野公園に決めました。
具体的な話になりますが、プライバシーの関係で、国道や都立公園に区の防犯カメラを設置した例はないということで、当初は防犯カメラの設置を理解していただくのに苦労しました。東京都東部公園緑地事務所、国土交通省東京国道事務所の担当者の方にお知恵をお借りしながら、設置許可をいただきました。

採用した理由

区の基本事項(仕様)に沿った具体的提案だった点が評価

[写真]危機管理室 生活安全推進課 係長 鈴木伸治氏

日立:
今回はプロポーザル(公募)方式で提案を募集したそうですね。

鈴木氏:
はい。全国初の試みなので、機器の製造、システム開発、維持管理の技術と信頼性が不可欠でした。 自治体内だけでは、専門知識やアイデアに限りがあり、是非とも専門家の知恵と実績をお借りしたいと考え、区は基本事項(仕様)書を作成し、プロポーザル方式でご提案をいただきつつ、プレゼンテーションとヒアリングを行い、総合的に評価いたしました。

日立:
最終的に日立を採用いただいたポイントは何でしょうか。

鈴木氏:
日立製作所さんの企画提案は、区の基本事項に沿った具体的な仕様が示されていました。
審査委員会では、その点について他の提案に比べ、システムの機能、機器の仕様、管理運用面等において高い評価を得ていましたね。

システム概要

「たいとう安全・安心掲示板」は、掲示板として利用者にさまざまな情報を提供する「情報の検索・提供機能」と、緊急時にボタンを押すと警察署へ通報し、周辺の状況を防犯カメラで知らせることができる「緊急通報機能」が一体となったシステムです。

情報の検索・提供機能

本体上部の画面では、防犯・防災情報、区政情報、観光情報などが常時配信されています。これらの情報は、台東区や区内の文化施設などから月2回、日立の情報配信サービス「MediaSpace」に送付いただいたものを配信しています。
本体下部の画面は、タッチパネル式になっており、直接触れて操作することで、掲示板周辺の地図が表示されます。また、区内の避難所などの防災施設や警察署・消防署・緊急指定病院などの公共施設、文化施設などの場所を検索でき、区・警察署・消防署のホームページも閲覧できます。なお、地図情報は、4ヵ国語(日・英・中・韓)に対応しています。
さらに、問い合わせボタンを押すと台東区コールセンターと相互に通話ができます。

緊急通報機能

緊急通報ボタンを押すと、掲示板上部のブザー付き赤色回転灯が作動し、周囲に異常を知らせます。また、警視庁上野警察署の警察官と相互に通話ができます。
警察署では、通報者の現況を音声と映像で確認できるほか、通報前後の映像記録も確認でき、事件/事故への素早い対応が可能になります。

[イメージ]「たいとう安全・安心掲示板」の機能
「たいとう安全・安心掲示板」の機能

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第2回に続く

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