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地域通貨浸透への挑戦 神奈川県大和市 NPO「ラブスサポートセンター」

ここ数年で耳にする機会がぐっと増えた「地域通貨」。今回はその地域通貨をまちに根付かせようせようと活動されている神奈川県大和市のNPO「ラブスサポートセンター」理事の渡辺氏にお話を伺いました。
世界的にも発展段階といわれる地域通貨。日本の自治体での取り組みはどのようになっているのか、現状をお聞きしました。

地域通貨「ラブ」とは:
地域通貨は国が発行する法定通貨と違って、特定の地域で独自の価値をやり取りするのに使える通貨です。地域通貨は地域活性策の一つとして生み出されましたが、円など現行の法定通貨では表現することが難しい、社会的価値、あるいは、コミュニティ独自の価値を交換・流通させるために利用されることも多くなっています(例えば「ボランティア活動への感謝の気持ちを表すため」など)。
神奈川県大和市の地域価値交換のしくみ「ラブス」は2000年の通産省(現経済産業省)の「ICカード普及等によるIT装備都市研究事業」を財源に開発されました。このしくみのなかで、価値の交換の道具として地域通貨「ラブ」が活用されています。
「ラブス」の仕組みは、参加希望者の申請に基づきICカードを発行。カードには最初に1万ラブが入っており、ICカードのIDとパスワードを使って大和市のホームページにある「ラブスのコーナー」を利用したり、提携しているお店でラブを使った様々なラブのやり取りをしたり、といった具合です。
例えば、ラブスのホームページの「人を大切に」のコーナーには、「ボランティア募集:環境プロジェクトに参加して下さい。1000ラブ差し上げます」といった情報が登録されています。インターネットでラブスのホームページにアクセスし、IDを入力した後のカードリーダーにカードを差し込むと認証され、「人を大切に」や「ものを大切に」のページに情報を登録したり、欲しいサービスやものの交換を申し込んだり、自分のラブを確認したり、相手にラブを振り込んだりすることができます。

成長過程の地域通貨「ラブ」

神奈川県大和市における地域通貨への取り組みについてお話を伺うため、NPO法人「ラブスサポートセンター」にお邪魔しました。地域通貨が生まれた背景や、活用や普及でご苦労している点、これからのビジョンについて伺いました。

1. ラブスサポートセンターの概要

日立:
本日はよろしくお願いします。まずはラブスサポートセンターの紹介をお願いできますでしょうか。

渡辺氏:
まず人員ですが、理事が8名、サポーターが約20人です。理事の2/3ほどが「どこでもコミュニティの市民会議」のメンバー、残りがNPO設立時にサポーターの方の中から手を上げていただいた方です。代表は、私が担当しています。
活動内容は、「地域価値交換システム(LOVES)」の活用促進、つまり、地域通貨「ラブ」の運営、勉強会やイベントの開催など、また、どこでもコミュニティの活用促進、これらを通じた循環型社会づくりです。

日立:
大和市が「地域通貨に取り組もう」と決定されると同時にラブスサポートセンターが開設されたのですか?

[写真] 渡辺氏

渡辺氏:
いえ、ほぼ一年後です。簡単に歴史を振り返ってみます。大和市は、2000年1月に市民参加電子掲示板「どこでもコミュニティ(略してどこコミ)」というシステムを立ち上げました。そして、一年後の2001年1月に「どこでもコミュニティ市民会議」を行政が立ち上げました。どこコミをもっと活性化しようというねらいで議論が始められました。そして、この市民会議のアウトプットは、大和市のIT化計画である新情報プランに、市民の立場で意見提案をすることとなっていました。この一連の会議の途中で、先にお話した経済産業省の事業を実施することが決定されました。これに伴って、市民会議の守備範囲が、どこでもコミュニティの活性化や運営の問題から、地域通貨「ラブ」を含んだラブスの運営にまで広がりました。
そして、市民会議のまとめとして、NPOを設立し「どこでもコミュニティ」「ラブス」の運営を市民運営でやろうという提案をまとめ、これが新情報プランに盛り込まれました。2002年3月のことです。
大和市は、2002年の4月からラブスの運用を始めましたが、これに合わせて任意団体として「ラブスどこコミサポートセンター」を立ち上げました。2003年4月にNPOの認証を神奈川県から得てNPOとなりました。これを契機に、組織の名称も「ラブスサポートセンター」に改め、新情報プランの計画に沿った活動が始まりました。

日立:
ラブスサポートセンターのスタッフの皆さんはボランティアという位置付けで参加されているのですか?

渡辺氏:
NPOという枠組みの中で運営しております。多くのボランティアの方々の協力がありますが、スタッフの一部は有償で、生業を得る仕事として取り組んでいます。現在は、ラブスの推進に係わる委託事業を大和市から受託し運営しています。今後、自主的な事業を開拓し、設立後3年で経済的に自立することを目指しています。

2. 地域通貨「ラブ」の現状

日立:
それでは次に、ラブの利用状況・利用環境についてお聞きしたいと思います。どれだけの方々がラブを利用できる状態になっているのでしょうか。

渡辺氏:
大和市民22万人弱の内ICカードを持っている約9万人が利用対象者です。
2002年の利用実績をまとめたデータがあります。大和市のICカードの利用は全体で約40,000件ありました。そのうち約30,000件が施設予約などでの利用でした。この内、実際のラブの譲渡が行なわれたのが13,000件ぐらいでした。更に、その中で、いわゆる地域通貨的なラブのやりとりは750件でした。

日立:
750件の中には、一人で何度も利用されている方もいるわけですよね?

渡辺氏:
はい。実際の利用者の数としては半分弱と推定しています。300人程度でしょうか。年間750件の交換という数字の判断は難しいのですが、一般的な地域通貨の流通の現実から言うと比較的大きい部類に入るようです。しかし、9万人の方がICカードを持っているという事実からすると、まだまだと言えます。しかし、アンケート調査によると「ラブス」の認知度は市民の半分以上あり、一年目の滑り出しとしてはそんなに悪くないと思っています。また、2003年になって、自治会や地域の社会福祉団体、商店街などで使ってみようという動きが少しずつ起こって来ていて、いよいよ広まっていくのかなと期待しています。

日立:
ラブ立ち上げに関わった大和市職員の方もキチンと機能するまでに10年は覚悟しているとおっしゃっていました。それでは今利用できる施設というのはどれくらいですか?

渡辺氏:
お店としてラブを使えるメニューを出していただいているのは、現在30軒程です。その他、市役所や学習センターなどの公共施設、民間の施設やNPOにも端末がおいてあります。インターネットがあればICカードのリーダーライターがなくても活用できますので、個人のお宅でも利用できます。これらの場所で、ホームページ上の不用品の交換、ボランティアのやり取り、ショッピング情報を得ること、また、学習施設の予約などの行政サービスの利用ができるようになっています。

日立:
ラブの利用を広げるために当初からあったICカードに加え、紙の券を発行されたというお話も伺いましたが。

渡辺氏:
はい、「ラブ券」を2002年の8月に使いはじめました。ICカードが基本ですが、ICカードを利用してみて困ったことは、地域通貨のやり取りで大切な「人のぬくもり」みたいなものが感じられないということです。紙幣式の地域通貨の券面には、いろいろなメッセージが描いてあることが多くありますね。これを見て、地域通貨を理解することができると思うのですが、これがICカードの券面には無く無味乾燥なのです。また、ちょっとしたありがとうを形にすることがラブのねらいなのですが、ICカードではそのやり取りがパソコンを介する為にやりにくいということも問題でした。お店にとっては、カードリーダーとコンピューターのセットを置く場所を取り難いことも大きな問題でした。

[写真]
ラブ紙券

日立:
お店の人も機械に強い方ばかりではないでしょうからね。

渡辺氏:
おっしゃるとおりです。昼間に店番をされているのは、お年を召した方が多かったりするので、コンピューターはチョットということが多くあります。このような、色々な問題を何とかしようと、紙の補助券「ラブ券」を発行しました。将来的には、スイカのように、ICカードを便利に使えるようになって欲しいなと思っています。しかし、まずは「地域通貨」という発想をみんなが理解することが大切だと思ったので、よりわかりやすい「ラブ券」を使ってみることにしたのです。

日立:
ラブを誰がどれぐらい持っているかとか、どれぐらい流通しているかなどの量的な管理が必要になるのかな、と思いますがいかがでしょうか。

渡辺氏:
どこにどれだけラブがあるのか、という絶対量の把握はしていません。それは、現在のラブの運用ルールでは、個人が自由にラブを発行できるというものですので、把握しても意味がないからです。ラブの流通量は市で把握しています。2002年度の実績としては590,000ラブ移動したとのことです。

3. 「ラブ」浸透への努力

日立:
ラブ浸透のために色々な工夫をされていますが、ラブ導入の際に商店街の方々や市民の方々に「地域通貨とはいかなるものか」を説明するのは大変だったのではないでしょうか。

渡辺氏:

まだ説明している最中ですからね(笑)。2002年、この活動を始めるにあたり、まず、地元の二条通りの商店街の方たちと一緒にどうやってラブを活用しようかと模索を始めました。お店が終わったあとに集まり、ワイワイやりながら話し合いました。そして、それぞれのお店の個性を生かしたラブのサービスメニューを考えていただきました。そして、2002年の5月から7月の「ラブスカード お蔵入り撲滅キャンペーン」と銘打ってキャンペーンを行ないました。とりあえず何ができるか分からないけど、まずは使ってみようということですね。

[写真]
ラブが使える二条通商店街

ご商売では、当然円が価値の基準になっています。地域通貨を使うということは、地域通貨という新たな価値の軸を納得してもらうことが必要なんです。ここがとても難しいのです。この問題は今も続いています。
ご商売に関連してラブを活用しようとすると、どうしても円の割り引きになってしまうことが多くなってしまいます。つまり、今のラブのルールは、誰でもが自由に発行できますし、年末になるとリセットされてしまいます。円貨のような価値を持たないわけです。この状態でお店にラブを活用することをご理解いただくということは、商店主としては簡単ではありません。お店に貯まったラブをどうするの?仕入れには使えないし・・・と、よく聞かれます。
2002年の5月から7月にかけたキャンペーンの結果は、残念ながら、商店街や私たちの期待に反し、たくさんのお客さんがいらして盛り上がった、とは言えないものでした。しかし、この一連の活動の中で、ラブスに参加したお店がそれぞれ努力され商店街独自のホームページが出来あがり、そのホームページをみてお客さんがいらっしゃったという話しを聞きました。副次的な効果はあったといえます。
その後、地域通貨そのものを理解して頂くことを、焦らず、地道に進めることが大切だと思い「ラブ通信」というニュースレターを発行したり、勉強会を開いたりしてきました。このようにして、少しずつ理解を広げていっているというのが現状です。

日立:
重点的に説明対象とされているのはどんな方たちですか。

渡辺氏:
2002年度は、誰がどう使うかということはまだ見えていませんでしたので、対象を絞り込むことをせず広い範囲で勉強会をやってきました。2003年に入ってからは、モデル地区の自治会や地域の福祉団体などに重点を置き、説明やイベントへの参加を進めています。

日立:
ラブを浸透させるための取り組みとして、説明活動と平行して新たな利用方法を模索していらっしゃるということですが。

渡辺氏:
いくつか新しいことをやろうとしています。まずは「ラブを使ってみようキャンペーン」です。これはお店に関わってもらう、市民がつかえる場所を作る、使えるお店を開拓するという活動です。
次が「クリーンアッププロジェクト」で、駅の周辺などを綺麗にしようという活動です。このキャンペーンに参加して頂いた方に、ラブを差し上げています。自治会の方や地域の商店の方たちへのラブ活用の呼びかけのきっかけとなること、そして実際に参加いただき、市民にラブを持っていただくことを目的としています。
まだ実現していませんが、「ラブスファンド」というものも考えています。地域通貨の基金です。
更に、コンピューターを使うのが得意でない方の支援として、ラブスへの登録や申し込みをFaxで受け付け、インターネットへの入力を代行させていただく活動も始めました。

4. ラブの進むべき方向

日立:
地域通貨というのは様々な使い方がなされています。商店街などが関わって経済面での地域活性化を目指す方向もあれば、地域のつながりやボランティアを大切にするエコマネー的な地域通貨もあります。ラブはどのような方向に進もうとなさっているのでしょうか

[写真] 渡辺氏

渡辺氏:
欲張りですけど基本的には経済面も地域のつながりも、両方です(笑)。ただ、私としてはまちづくり、住んで楽しいまちをつくる、まちの活性化ということがやはり大きな目的だと思っております。そのためには、まちの商店がご商売としてきちんと関われるものでないといけないと思っています。
そういう意味で、今のラブのルールではかかわりにくいという声が上がっています。そして、半年以上かかって議論して、ルールを変えることにしました。2004年1月から大きく運用ルールが変わります。
これは、ベルナルド・リエターさんから学んだことですが、「お金」のしくみの将来像というのは、国家通貨と地域通貨の二つが共存するという形ではないかなと思っています。ふたつの種類の価値の表現の仕方があって、一つのものをやり取りするときに、二つの軸を考えながらやり取りを楽しみましょう、と言うことだと理解しています。二つの軸とは、リエターさんの言い方では「陰と陽」、日本の地域通貨の仕掛け人の森野栄一さんの言い方では「理と義」、別の言い方をすると「円と縁」とでもいえるかもしれません。この理解が、段々とまちに浸透していくことを期待しています。

日立:
ラブスを地域価値交換システム(Local Value Exchange System)という言い方をされていますね。

渡辺氏:
これは行政が付けた名前ですが、すばらしい名前だと思います。地域の価値とはちょっと難しい言葉ですが、野鳥の森の小川の辺りが気持ちいい、とか、千本桜の和菓子屋さんはうまいとか、肉の太田屋さんのご主人の心意気が嬉しいとか、○○さんはなんでも相談にのってくれる、とか・・・あそこのパソコン教室はいつもおいしい珈琲を飲ませてくれるとか、あのおばあちゃんの笑顔がとてもステキ、とか・・・、有機農業に一生懸命な農家のおじさんの熱のこもった話がうれしい、とか、私はパソコン教えるの得意です、森の中での遊び方教えますヨ・・・、まちには色々な人に伝えたい、教えてあげたいなって思うものがありますよね。地域の価値、言葉は硬いけれど、こんな事かなと思います。インターネットをまちの伝言板として使って、こんないろいろステキな財産がこのまちにあるって言うことを知らせることが、それを分け合おうって提案することがとってもすばらしいと思います。 単に地域通貨を流通させることが目的ではなくて、地域の価値をみんなで共有して、みんなで豊かになるということが目的です。ラブというネーミングは、ラブ(LOVE)という言葉を使ってしまった(笑)ことも含めてすばらしいことだと思います。

日立:
私もホームページを拝見させていただいたのですけれども、して欲しいこと、してあげられることを直接自分で登録するという形ですよね。例えば、お年寄りがボランティアはやりたいのだけれどコンピューター入力ができない、といったことはないのでしょうか。

渡辺氏:
二つのことをしています。ひとつは、「ラブスIT講座」と題してパソコンの使い方の基礎講座と、ラブスの考え方、使い方を体験する講座を開催しています。もう一つは、先ほども申し上げましたが、ラブスの頁への情報登録の支援をしています。不用品やサービスの登録や申し込みを市役所や学習センターの窓口で書面で受付ます。これをFaxで送って頂き、サポートセンターで入力を代行するということをやっています。

日立:
どれくらいの方が利用されているのでしょうか。

渡辺氏:
IT講座の受講者は、現在までで60名ぐらいです。また、代行入力は、月に15件程度というのが実績です。
一方、「人を大切に」のコーナー、いわゆるボランティアのやり取りの利用は、この3ヶ月のデータで見ると月40件程ありました。40件もあるのだなと我々も驚いています。「ものを大切に」の不用品の交換ではこの半分位でしょうか。2002年度までは、行政が担当者を置き、帳簿をつくり、電話で手厚くコーディネイトもしていたものを止め、インターネットのシステムに変更しました。これに伴い、サポートセンターで支援を始めました。コンピューターに移行し、自分が主体的に入力するというのは、市民から見ればサービスの低下とも言えるでしょう。おまけに、現在のシステムはあまりユーザフレンドリーとは言えない状態ですから、なおさらです。改善していかねばと思っています。

日立:
システムの仕様を変えていかれるということですか。

渡辺氏:
そうですね。予算が続く限りは(笑)。インターネット初心者でも、簡単に使えるようにしないといけませんね。

日立:
私たちも、コミュニティで使っていくシステムとなると、それはどんどんどん変化していくのだろうね、という話しをしていまして。ハイ作りました、ハイ使いましょう、というのは難しいよね、というのはよく出る話しです。
大和市のシステムはこれからどんどん良い方向に変わって、使い易くなっていくということですね。

渡辺氏:
そう願いたいところですが、予算がありますのでそう簡単にはいきません。残念ながら、その年の予算では、ハイここまで、ということがあります。2002年度、システムの改善案をいろいろ出しましたが、なかなか思うように対応できていないのが実情です。
ベンダが提供してくれるものとしては、モジュールを作っておいて後は地域で運用に合わせて変更ができるよ、という形がいいのかもしれません。低コストで、市民の自己責任で改変ができるシステム構成が望ましいと思います。
地域通貨がめざすやり取りがまちに根付くためには、コミュニティの一人ひとりの考え方、発想がスローになっていくことが大切です。基本は、システムより、「人」であろうと思います。しかし、ある程度の規模を対象とする場合には、その人の交流を支えるシステムの向上も欠かすことはできません。柔軟で、ユーザーフレンドリーな仕組みの開発はまだまだ必要だと思います。

日立:
地域活性化という目的は、実は目標・成果が抽象的で量りづらいのではと思います。地域活性化の広がりや深まりはどのような尺度で量ったら良いのでしょうか。

渡辺氏:
サービスやものの登録件数、ラブの流通量が一つの指標になると思います。西千葉では、お店の売り上げという分かりやすい指標でも変化が見られたと聞いています。こうなると素晴らしいですね。しかし、売り上げで見えるまでは、実際に商店街や地域にお邪魔して皆さんの感じていることを伺い、定性的に評価するしかないかなと考えています。

日立:
「地域通貨は作っていく過程が面白い」というお話を聞いたことがあります。

渡辺氏:
「この道具(ラブスという仕組み、地域通貨の活用)には可能性がある」と確信しています。ラブスは、まだまだ改善すべき点だらけですが、大きな可能性がある。ここで大切なことは、どう使っていくかというねらいとマニュアルを自分達で作るぞ、という皆の決心だと思っています。
もう一つ、繰り返しになりますが、円に占領されている頭の中に、地域通貨という、新たな価値の軸を構築することが大切です。
この、地域通貨という、円の損得から離れた軸を取り戻して行くということは、環境にやさしかったり、暖かいつながりがあったり、まちの魅力を作っていくということになります。これを実現するには行政だけではできません。自分達のまちのことだから自分達がやっていくという気持ちで、みんながつながっていく。みんながそれぞれ、大切な何かを発見していく。この変化が、とても創造的でワクワクします。ここが面白いところでしょうか・・・

日立:
ラブを積極的に活用していくことが住みよいまちづくりのためにはいいのだよと、みんなに認めてもらわなくてはいけないということですね。

渡辺氏:
大きな方向として「みんなのまちをみんなが参加して創っていくことが大事だよ」ということだと思います。Publicという発想を広げていくことともいえるでしょう。それを押し付けるのではなく、そうだよねって、納得してもらう。そんな機会を提供するきっかけとしてラブスの仕組みを作っていきたいと思います。

日立:
本日は貴重なお話ありがとうございました。

(2003年11月10日取材)

まだまだ試行錯誤の状態がつづく日本の地域通貨。そんな状況の中、大和市に「ラブ」を根付かせようとする渡辺氏の意気込みが伝わるインタビューでした。

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