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自治体向けソリューション

第4回 次世代電子行政の実現に向けての動き

1. 官民が同じスタンスと権限でフレームを作る

「民間の視点を取り入れて進めていくという体制を維持していくことが大切」

日立:
次世代電子行政のビジョンに向かってこれから具体的な取り組みが始まるわけですが、どういった体制、プロセスで進んでいくのでしょうか。

須藤修 教授:
まず体制ですが、これも官民連携が重要になります。官民が同じスタンスと権限でフレーム作りをやるということが必要です。2000年の電子政府の立ち上がりと決定的に違うのは、経団連が相当に力を入れていることです。推進委員会の会長にトヨタの渡辺社長が就任されましたが、民間の視点を取り入れて進めていくという体制を維持していくことが大切と思います。

2. フェーズ0〜3

日立:
なるほど。では次に推進のプロセスについて教えてください。

[写真]東京大学大学院情報学環 須藤修 教授

須藤氏:
はい。まずフェーズ0です。これは、技術面と法制面での課題をあぶりだすフェーズです。これはやっぱり、総務省が進めている地域情報プラットフォームの実験が重要になると思います。そこで出た成果と課題のレポートが非常に重要だと思っています。これをしっかり検証できて始めて、次のフェーズ1に進んで行きます。ここでは引越し手続きや退職者手続きなどのサービスを如何にできるだけ多くの自治体で導入することができるかというのが課題になってきます。これは引いては、自治体のバックオフィス改革、共通基盤の導入を進めていくということにつながってきます。
このフェーズ1を導入して気づいた点をフィードバックしながら、法改正を行ったり適用するサービスの幅を拡大していくといったことがフェーズ2になります。フェーズ3では、情報共同利用支援センターを設置して官も民も国民一人一人に合わせたサービスを提供できるようになるといいと考えています。サービスの提供形態で言ったら、今はASPとかSaaSが見えていますが、もしかしたら他のもっといい技術が出てくるかもしれませんね。

3. 参考にするべき海外事例(カナダ、韓国、アメリカ、etc)

日立:
それでは最後になりますが、日本が次世代電子行政に向かって具体的な取り組みを行う際に参考になるような海外事例があれば教えてください。

須藤氏:
韓国のデータベース連携に基づいたワンストップサービスは世界的に影響力があると思います。日本政府も調査に行っています。それから、テクノロジーの利用という観点ではカナダが参考になります。ワンストップサービスを実現するための共通基盤を省庁間の連携が可能な形で整備していたり、PDCAサイクルについてもよく考えられていると思います。
カナダのシステムは、マネージメント力の非常に高いシステムとして、アクセンチュアからずっと世界一の評価を受けています。今後の日本の取り組みにとっては非常に示唆に富んでいると言えます。また、似たようなところでは、シンガポールや台湾も優れていますね。アメリカの政府は、今はIT調達にウェイトを置いているようです。業務統合についてはアメリカも部門間の縦割りがきつくて難しいので、成果が出しやすい調達部分からアプローチしているなというイメージです。国民へのサービスという意味では、今挙げた韓国・カナダ・シンガポール・台湾などが強いと思います。

4. IT投資の20%を教育/研修に

「コストをかけて高度にITを利活用できる人材を。使える人がいなければ意味がないですから」

日立:
諸外国では、教育や研修に力を入れているという話も良く聞きます。

[写真]東京大学大学院情報学環 須藤修 教授

須藤氏:
例えばカナダでは、自治体の職員研修に非常に力を入れています。アメリカやEUも教育には相当お金を使っています。IT投資のうちの20%を教育に使っているという話もありますね。それだけのコストをかけて高度にITを利活用できる人材を育てています。ソフトウェア開発者ではなく、利活用する方の人材です。いくら良いシステムを入れても、それを使える人がいなければ意味がないわけですから。

次世代電子行政を考えた場合、国民視点で業務を再認識しなおすといった業務面と、そのためにはどういうITをどうやって使えばいいのかといったITに関する面の両面で職員教育を行わないといけないと思います。職員とワークショップを開いて、創意工夫して業務を変えていくという、ある種の”カイゼン活動”ですね。企業が環境の変化に合わせてビジネスプロセスを見直すのと同じく、行政の業務もビジネスプロセスの一つと捉えて変えていく必要があるのだと思います。

日立:
本日は貴重なお話ありがとうございました。

(2008年5月取材)

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