住民サービスのさらなる向上とコスト削減を目指し、自治体向け「日立電子申請ASPサービス」の利用を開始。ライフサイクルコストの50%以上を削減
窓口、はがき、電話、パソコン、携帯電話と申請方法の選択肢が増え、住民の利便性が向上しました。
2008年11月、「日立電子申請ASPサービス」の利用を開始した岡山県。岡山県と県内の全27市町村、ならびに岡山県警で共同利用し、導入費用と5年間の運用費用を合計したライフサイクルコストを、既存システムと比べて、50%以上を削減できる見込みです。しかも住民にとっては、クレジットカードで手数料などが支払えるようになるなど、サービスレベルも向上しています。さらに、アンケート調査やイベント参加、公共施設利用の申し込みなど、厳格な本人確認が不要な簡易申請サービスが容易に設計できるようになり、電子申請サービスのさらなる利用拡大への展望も広がりました。
![[写真]岡山県 企画振興部 情報政策課 電子自治体推進班 副参事 藤井 伸顕 氏](/Div/jkk/jichitai/casestudy/okayama/image/oka_010.jpg)
![[写真]岡山県 企画振興部 情報政策課 情報化推進班 主任 森本 秀樹 氏](/Div/jkk/jichitai/casestudy/okayama/image/oka_020.jpg)
![[写真]岡山県 企画振興部 情報政策課 電子自治体推進班 主任 渡辺 達也 氏](/Div/jkk/jichitai/casestudy/okayama/image/oka_030.jpg)
| 課題 | ソリューション | 効果 |
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「岡山県では、『IT先進県』を目指して、住民サービスへのIT活用を積極的に推進しています。電子申請システムについても、2002年から実証実験を行い、2003年にサービスを開始。2003年8月には県内の全27市町村、2005年には県警も共同利用に参加しました。また、2002年には、県と市町村が共同で『岡山県電子自治体推進協議会』を発足させ、住民が利用できる申請手続きも一緒に工夫しながら、順次拡大してきました。
しかし、既存システムはOSのサポート終了が間近に迫ってくるなど、プラットフォームを作り変える必要が出てきました。そこで、これを好機ととらえて、サービスの見直しとシステム刷新を図ることになったのです」
[藤井氏]
「最大のテーマは、コスト削減と、より良い住民サービスの両立を行うことでした。
既存システムでは、総合窓口システムなど六つのシステムを構築運用することで、重複コストが発生していました。そこで、コスト削減とシステム最適化の観点から、ライフサイクルコストの分析を行った結果、サブシステムを統合することにより、新システムでは大幅なコスト削減ができるという結論に達しました。
より良い住民サービスの実現という観点では、『親しみやすいユーザーインターフェース』『ユニバーサルデザインを考慮したシステム』『24時間365日稼働する高い可用性』『個人情報保護を考慮した高い機密性』の4点を重視しました」
[森本氏]
岡山県では、コスト削減とより良い住民サービスの両立を念頭に調達仕様書を作成し、提案を公募。総合評価方式による一般競争入札を実施した結果、総合的に優れた提案として、日立の提案をご採用いただきました。
「日立の提案は、こちらが提示した要件をすべて満たしており、さらに有益な追加の提案も含まれていました。また、利用形態がASP形態で提供されることも、評価のポイントになりました。ASPサービスであれば、ハードウェアやソフトウェアの資産管理から解放されて、運用やシステム維持のコストや手間がかかりません。加えて、技術革新や法改正など、さまざまな変化にもスムーズに対応できます。しかも、日立電子申請ASPサービスは、こちらの多様な要求にも柔軟に対応して、既存システムと同等のサービスレベルを維持できるという見込みがありました。
ASPサービスの利用にあたっては、より安心なものにするために、日立との間でSLA(*1)契約を結びました。24時間365日の安定したサービス継続やレスポンス性能など、維持すべきサービスレベルを明確に取り決めています」
[森本氏]
自治体向け「日立電子申請ASPサービス」は、実績のある電子申請システムと運用ノウハウをベースとした電子申請サービスを、ASP形式で提供するものです。岡山県では、市町村での住民票の写しなどの取得交付申請やアンケート調査、岡山県警での道路使用許可申請などに利用されています。
申請様式は、日立が提供する様式作成ツールを使用して、各自治体で作成。柔軟にカスタマイズできるため、窓口で利用している申請書のイメージのままWebブラウザーに表示できます。また、決済基盤連携サービスの利用によって、窓口納付に加え、クレジットカード決済、インターネットバンキングなど、多彩な決済方法を実現しました。
![[イメージ]岡山県の電子申請イメージ](/Div/jkk/jichitai/casestudy/okayama/image/oka_090.gif)
岡山県の電子申請イメージ
住民は、「おかやま申請・届出総合ナビ」ホームページから「住民票の写しの取得交付申請」などの申請を実施。申請内容の審査後、自治体から交付物が発行されます。手数料が必要な場合は、決済基盤と連携し、クレジットカードなどから手数料の支払いが行われます。
「2008年11月に新しい電子申請サービスがスタートしましたが、今回のシステム刷新で、導入費用と5年間の運用費用を合計したライフサイクルコストを、既存システムと比べて50%以上削減できる見込みです」
[藤井氏]
「システムを統合して最適化したことで、さらに業務を効率化できました。たとえば、組織改編における部課室情報のマスターデータのメンテナンスも迅速に対応できるようになっています。また、手数料などの納付方法として、窓口納付とインターネットバンキングに加えて、クレジットカード決済も利用できるようになり、住民の利便性も向上できました。
さらに、機能面だけでなく、画面も見やすく、操作しやすいものになったと思います。自治体側の意見を取り込んでいただいたことに加えて、日立のデザイン専門部署によるユニバーサルデザインに配慮した画面構成や画面遷移で、視認性や操作性が向上しました。
自治体側の意見を真剣に受けとめ、可能な限りシステムへ反映させてくれた日立の姿勢を評価しています」
[藤井氏]
![[画面]「おかやま申請・届出総合ナビ」の画面例](/Div/jkk/jichitai/casestudy/okayama/image/oka_080_s.jpg)
「おかやま申請・届出総合ナビ」の画面例
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「これまでは、サービス利用者や職員からの電子申請システムに関する問い合わせは、情報政策課が対応していましたが、今回から、オプションサービスのコールセンター/ヘルプデスクのサービスも利用しています。操作でわからないことがあれば、コールセンターへ直接問い合わせができるので、対応もスムーズです。また、問い合わせフォームを使った質問なら、24時間いつでも送信しておけます。 問い合わせ先が一本化されたことで、情報政策課の担当者は、安心して本来の業務に専念できるようになりました」
[藤井氏]
「簡易申請サービスが、容易に設計できるようになった効果は大きいですね。市民講座への申し込みフォームなどは、わずか5分程で作れるようになりましたし、携帯電話を利用したサービスも可能になりました。窓口、ハガキ、電話、パソコン、携帯電話と申請方法の選択肢が増え、住民の利便性を向上できたと思います。
一般申請サービスに加えて、簡易申請サービスも提供することで、電子申請サービスそのものの敷居が低くなり、一般申請サービスに対する利用意欲が高まるという効果も期待できます。最近では、会議の出欠確認や庁内のアンケート調査などでも、簡易申請サービスの機能が気軽に使われるようになっています」
[渡辺氏]
「今後は、利用をさらに拡大することが課題です。一般申請サービスをより利用しやすくすることを目指して、岡山県電子自治体推進協議会で、各種申請の共通事務処理の仕組みづくりを進めています。
さらに、業務フローも見直していきます。添付書類を省略したり、事務処理フローをシンプルにしたりできれば、オンライン上で完結するサービスをさらに増やすことができると考えています」
[藤井氏]
岡山情報ハイウェイ構想に基づき、全国に先駆けて自設・自営の情報基盤を核とした地域情報化を推進してきた岡山県。 2007年1月には、「新おかやまIT戦略プログラム〜おかやまITイニシアティブ〜」を策定し、誰もが、いつでも、どこでも、ネットワークを自在に活用し、生活のさまざまな面でITの恩恵を実感できる便利で活力のある社会「ユビキタス・フィールド岡山」の実現を目指しています。