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自治体向けソリューション

Hitachi

導入事例:兵庫県 加古川市

市民サービスの向上を図る「88サービス」。AP8000とLTOによるバックアップ業務の効率化と休日の無人自動運転で行政の効率化を実現

住民の利便性向上は、自治体がもっとも真剣に取り組まなければならない課題だ。兵庫県の加古川市では駅前南側に、各種届け出や申請、証明書の交付を行う「加古川駅南ミニ市役所」を新設し市民サービスの向上に務めている。休日サービスや平日のサービス時間延長といった「88サービス」を実現。日立のエンタープライズサーバ「AP8000」とディスクアレイサブシステム「SANRISE」の活用で職員の負担を増加させることなく、休日の無人自動運転も可能になっている。また、隔地保管用のLTOに暗号化をはかるなど、セキュリティ対策にも余念がない。

市民サービスの向上を目指しIT化を推進

兵庫県の中央部に源を発し瀬戸内海に注ぐ一級河川、加古川の水の恵みを受けて発展してきた加古川市。2002年4月には「特例市」に移行を果たし、「政令指定都市」や「中核市」につぐ分権時代の新たなリーダーとして期待されている。
「行政は市民の幸せのためにあります。一般企業であればカスタマサービスがあるように、我々も単なる行政運営としてではなく、顧客満足度を高める行政経営として市民サービスの向上に努めたいと考えます」と語るのは加古川市企画部政策企画局IT推進課課長。
加古川市は市民サービス向上のためにITを重要なポイントとして位置付けている。
「ITによって職員の仕事を効率化し、密度の高いものにすることが市民サービスの向上につながる」と加古川市企画部政策企画局IT推進課副課長は語る。2004年4月、市民サービスの向上と中心市街地の活性化を目指し、「加古川駅南ミニ市役所」をJR加古川駅南側に新設。加古川市民センターと加古川駅前市民サービスコーナーを統合したミニ市役所では、住民登録や印鑑登録、市税関係、各種証明書の発行など、各種行政手続きを行うことが可能だ。このミニ市役所の最大の目玉は「88サービス」。平日のサービス時間延長と休日市民サービス拡充のため、土日・祝日を含めて朝8時から夜8時までサービスを行っている。
「通勤の行き帰りなどに気軽に立ち寄れるため、従来の2カ所を合わせたよりも約1.5〜2倍にまで利用率が上がりました。また、高齢者の利用も多いようです」とIT推進課課長が語るように88サービスは、大きな成果をあげている。

[写真]ミニ市役所
商店街に面した加古川駅南ミニ市役所。1階には加古川市民センターが、4階には市コミュニティ協会などが移転。

仮想MTLによる処理時間短縮と自動運転により効率化

市民サービスの向上に大きく貢献している88サービスだが、その実現には、いくつかの解決すべき課題があった。
まず第一に、職員の負担を増加させることなくサービス時間の延長を実現すること。
しかも、ミニ市役所開設までのスケジュールはすでに決まっており、開設に間に合うように新システムを構築する必要があった。
さらに、ミニ市役所でのサービスを証明書発行機能だけでなく市役所と同等レベルで実現するために、メインフレームの機能を強化し、既存業務システムの活用による休日サービスの対応方式を選択した。
そこでシステムの継続性や信頼性、性能を評価し、新たなシステムとして選ばれたのが日立のエンタープライズサーバ「AP8000」とVOS3統合ストレージ管理「DMFVTLS、DMFOPDS」の組み合わせだ。
メインフレームを従来使用していたMP5600からAP8000に移行することにより、処理能力をアップ。OSはVOS3/FSから互換性に優れたVOS3/LSへ移行し、データの移行作業もスムーズに行えた。さらに、SANRISEを利用して磁気テープ装置のエミュレーションを行う「仮想MTL」機能により、I/O性能が大幅に向上し、バックアップ処理時間を約1/4に短縮することに成功した。
また、平日の夜に行っていた参照系バッチで使用するデータベースのコピー処理を朝の時間帯に変更するなど運用面の見直しを行うとともに、システムの自動化により、職員の負担を増加させることなく、平日のサービス時間延長と休日の無人自動運転を実現している。
システムの自動化は、システム運転支援装置「SOC-2」と、空調設備やAP8000、および周辺機器を接続し、統合システム自動運転機能「AOMPLUS」との連携によって、複数システムの自動起動・停止、および空調・周辺装置などの電源制御を実現している。平日2台で稼働しているAP8000は相互バックアップの構成がとられており、もし1台に障害が発生した場合も稼働を継続できるようになっている。
さらに、休日は1台で稼働するなど効率的な運用も心掛けている。
高信頼・高可用性を誇るAP8000とSANRISEであるが、ミニ市役所でのサービスが滞ることがないように、休日は、サポートセンターによる遠隔監視を行い万全の対策を施している。
「システムの安全性を考えると、メインフレームのコンソール操作をサポートセンターがすべてできてしまうのは問題があります。そこで、サポートセンターでできる操作をシステム側で制限し、後は日立のSEに迅速に対応してもらっています」(IT推進課副課長)。

[イメージ]加古川市の「88サービス」システム概要図

LTOを暗号化しセキュリティを向上

今回のシステム構築にあたり、毎月の隔地保管用の外部保存媒体として大容量(圧縮時200Gバイト/巻、UltriumTM 1)なLTO( LinearTape-Open)も新たに導入している。
「従来のカートリッジ型磁気テープ(CMT)では本数が多くなってしまうので、バックアップメディアを減らす目的でLTOを導入しました。これはコスト削減に加え、管理のしやすさを目指したものです」とIT推進課副課長が語るように、LTOに変更したことでバックアップメディアの本数は従来の1/5に激減。しかも、LTOによってオペレータ操作が不要となり早朝無人でバックアップが取得できるようになった。
またIT推進課副課長は「災害などに備えて隔地保管を実施していますが、その途中経路で紛失や盗難などが起こっても大事に至らないように、LTOの暗号化機能を導入しました」とも語る。これは加古川市の情報漏えいに対する高いセキュリティ意識からくるものといえるだろう。

将来を見据えた利便性のために今後もIT化を推進

「今回の構築にあたり、日立の総合力を実感しました。日立の技術者が張り付いての移行やVOS3ステップアップサービスのおかげで、実質三ヵ月という短期間で導入がはかれました」とIT推進課副課長。加古川市企画部政策企画局IT推進課情報管理係長も「ユーザの気持ちをよく理解してくれるので、傍にいてくれるだけで安心します」と日立の手厚いサポートを評価している。
今後、加古川市ではさらにIT化を推進し、住民票などの自動交付機システムを構築する予定だ。
「自動交付機システムは住基カードの普及を図るための多目的利用の一環として考えており、本庁舎内では2004年の11月には稼働させたいと思っています。これは市民サービスの向上とともに、窓口業務の削減により、業務の効率化・質的向上につながるものと考えています。ただし、こうしたITサービスの効果は、現状だけをフォローするものではありません。むしろ、将来につながる基盤として捉えています」とIT推進課課長は語っている。
さらにIT推進課課長は、「日立には、これまでも要望に応えてもらっていますが、今後も先行情報含め検討材料はたくさん欲しいところです。また定例会でも、現状にとどまらず将来の議論もしたいですね」と期待を込める。
今後も、市民サービスのさらなる向上を目指す加古川市。AP8000と日立のサポートにかかる期待も大きい。

  • *本コンテンツは2004年8月に作成されたものです。本文中にある自動交付機システムは2004年11月に稼働を開始しております。

[お客さまプロフィール]加古川市

[写真]加古川市庁舎(新館)

[市役所所在地] 兵庫県加古川市加古川町北在家2000
[人口] 26万6,661人(推計/2004年5月現在)

地域の特性に合った「まちづくり」を積極的に推進できる「特例市」に移行するなど、市民の幸せを第一に考えた行政が特徴の自治体。市民の誰もがこの町に住み、生きる喜びを感じることができるよう「ひと」「まち」「自然」が調和した「ウェルネス都市加古川」の実現を目指している。市民の利便性の向上のためのIT化も盛んだ。

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