「電子自治体共通基盤ソリューション」を適用し、111校・園を結ぶ大規模LANを中心としたICT基盤を構築
利用者が安全・安心に校務を遂行できるセキュアな環境を実現しました。
ICT(*1)を活用した先進的な教育環境の整備を進めている江戸川区は、校務の効率化や学校間の情報共有を図るため、「教員1人1台のPC配布」と「全小中学校・幼稚園への学校LAN構築」を、単年度(2008年度)で一気に実現。その大規模な基盤整備およびPC配備を担当した日立は「電子自治体共通基盤ソリューション」製品群を適用し、重要データを一元管理するiDC(*2)内のインフラおよび情報流出を防ぐセキュリティネットワーク構築と、111校・園への約2,700台のPC配備を設計期間3ヵ月、構築期間3ヵ月という短期間で実現しました。
![[写真]教育推進課 計画調整係 係長 佐藤 薫 氏](/Div/jkk/jichitai/casestudy/edogawakyoiku/image/edokyo_003.jpg)
![[写真]教育推進課 計画調整係 主事 佐々木 利紀 氏](/Div/jkk/jichitai/casestudy/edogawakyoiku/image/edokyo_004.jpg)
![[写真]教育推進課 計画調整係 主事 宇田川 基 氏](/Div/jkk/jichitai/casestudy/edogawakyoiku/image/edokyo_002.jpg)
| 課題 | ソリューション | 効果 |
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小中学校における大きな課題の一つとして、教員の校務事務の多忙化により、生徒と向き合う時間や教材研究などの教務に充てる時間が不足していることが指摘されています。このため文部科学省も校務情報化の推進を強く求めていますが、全国的にはまだ、環境整備が始まったばかりです。情報共有を図るための学校LANの整備も遅れているため、教員が私物のPCを持ち込んで作業したり、データをUSBメモリーなどに保存して持ち帰ったりといった状況も多く見受けられ、情報流出のリスクをいかに極小化するかも重要なテーマとなっていました。そこで、これらの課題を解決するためのインフラ整備を決断したのです。
[佐藤氏]
セキュリティ強化策や、そこで使われる製品群の信頼性に加え、具体的にどう構築を進めていくかのスケジュール内容も重要な審査対象としました。その中で、最も現実性のあるプランと短納期開発を実現する手法を明示してくれたのが日立さんでした。さらに、2006年に始まった江戸川区の「e-SHIP(*3)ネットワーク」の基本設計から構築までを実現した実績を持っていたことも大きかったです。
[佐々木氏]
江戸川区教育委員会では、各校間で共有を図るべきデータはiDC内のストレージに集約し、校内で共有するデータは各校に設置したNAS(*4)で管理する仕組みを採用。統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」やアドバンストサーバー「HA8000」、日立ディスクアレイサブシステム「Hitachi Adaptable Modular Storage 500」、「JP1/秘文」、「JP1/NETM/DM」、「JP1/ServerConductor」、「JP1/Cm2」、公共機関向け電子字典「五萬悦」、漢字統合管理システム「漢字かなめ」といった「電子自治体共通基盤ソリューション」製品群を適用しながら、構築しました。
![[イメージ]江戸川区教育委員会「学校LAN」イメージ図](/Div/jkk/jichitai/casestudy/edogawakyoiku/image/edokyo_005.gif)
江戸川区教育委員会「学校LAN」イメージ図
江戸川区内には公立の小学校が73校、中学校が33校、幼稚園が5園の全111校・園があり、その全教員にPCを配布するとなると約2,700台が必要です。学校LANの整備も含め、これだけ大規模なプロジェクトとなれば複数年度にわたって段階的に導入するのが一般的でしょう。しかし“義務教育の環境整備に優先順位はつけられない。すべての児童生徒や教員に同じ環境を提供することが行政の義務”であるという教育長の方針から、単年度で一気に整備することになりました。
2008年12月にiDC環境の整備が終わり、翌2009年1月から3月までに全111校・園へのPC配布を完了することができました。いま考えると、これだけ大規模な作業を期間内に終えることは、日立さん以外では難しかったのではないかと思います。本当にすばらしい組織力でした。
[佐藤氏]
われわれが思い描いていたシステムが、日立さんにお任せしたら、いつのまにかそのまま現実になっていたというのが実感です。システムを止めることのない信頼性も重要なポイントでしたが、BladeSymphonyのN+1コールドスタンバイ(*5)機能や日立ディスクアレイサブシステムなど、高信頼・高可用な機器を選定していただいたことで非常に安心しました。
[佐々木氏]
連絡掲示板やメール、出席簿、予定表などの機能を持つ校務支援システムが全校一斉に導入されたことで、これまで各校や教員個人の選択に委ねられていた各種ソフトウェアの標準化とユーザー利便性の均一化が図られました。また、セキュリティ面では、ハードディスクの暗号化や、指紋認証機能を備えたUSBメモリーにコピーする際のデータ暗号化に加え、ファイルサーバーへのアクセス制限などの幅広い機能のおかげで、安全に利用できるようになりました。
[佐々木氏]
まずモデル校21校において通知表の電子化を実施しました。通知表の作成は、データを転記したり、数字をハンコで押したり、所見欄を手書きで記入するなど、非常に手間のかかるたいへんな仕事です。しかしこれらの作業をすべてPC上で行うことで、記入やチェックなどの作業が大幅に効率化します。最初は躊躇されていた先生方からも“実際にやってみたらよかった”という声がたくさん寄せられています。
[佐藤氏]
校務の効率化とセキュリティを両立できるインフラを作っていただいたのが現段階。今後はそれらのメリットを活かすための運用が重要な課題になってきます。
導入効果を出すためには、その使い手となる先生方一人ひとりの意識をいかに高め、校務と教育内容の質的改善を図っていくかが重要です。教育委員会としては、セキュリティ研修や操作研修などで先生方への継続的なサポートを行いながら、真の意味での教育環境の充実につながる、より安全で使いやすいシステムへと進化させていきたいと考えています。
[宇田川氏]
![[写真]江戸川区役所外観](/Div/jkk/jichitai/casestudy/edogawakyoiku/image/edokyo_001.jpg)
[所在地]東京都江戸川区中央1-4-1
[人口]677,587人(2010年1月1日現在)
[世帯数]303,029世帯(2010年1月1日現在)
[職員数]3,922人(2009年4月1日現在)
◎社会貢献を志す人々を応援する「江戸川総合人生大学」
「共育・協働・安心」を基本理念に、行政と区民が一体となったまちづくりを進めている江戸川区。少子高齢化や地球環境問題に代表されるさまざまな社会問題に対し、一人ひとりが「今、何ができるか」を自らに問いかけ、よりよい社会づくりに貢献できるよう、その可能性を見出す「学びの場」として設立されたのが「江戸川総合人生大学」です。
2004年に江戸川区が設立した同校は、学校教育法で定める正規の大学ではありませんが、北野大(明治大学教授・工学博士)氏を学長に、学識経験者や専門家だけでなく、区内の人材を区民教授として登用したユニークなカリキュラムを幅広く提供。少人数のゼミナールを中心に、江戸川区全体をキャンパスとしたフィールドワークや社会活動体験、グループ研究など多彩な方法を取り入れながら、豊かな人生を実現したい人々に向け、「共育」「協働」の文化を育んでいます。